リノベーションしすぎると売れない! |
~ 売ることも考える ~
時折、「リノベーションであなた好みの住まいに!」という
特集記事やテレビで見かけたことはありませんか。
東京だと築30年以上の中古マンションでも
驚きの価格で販売されています。
新築だと最低でも6,000万円以上はする場所でも、
中古なら3,000万円で手にはいります。
その中古を新築なみに大改装(リノベーション)する
スタイルが流行っていますね。
◆ リフォームとは
古くなったキッチンやお風呂の交換をしたり
汚れたクロスを貼り替えたりする工事のことです。
◆ リノベーションとは
リフォームに加えて使い勝手をよくする
間取りの変更も伴う工事のことです。
◆ スケルトンとは
一部の間取り変更ではなく、室内の間仕切りを全て取り除き
一から部屋を造作する工事のことです。
スケルトンは自由度があり、自分好みに間取りを造ることが
できるのが魅力です。ただし、費用も掛かります。
テレビを見ていると、担当のデザイナーさんや建築士さんと
打ち合わせをしながら、色や形、商材を決めていきます。
出来上がりは、流石にカッコよくて斬新なデザインが
目立ちますね。逆に言うと個性的すぎることもあります。
「工事費はいくら掛かりましたか?」と問われ、
「ざっと1,000万円掛かりましたが満足です」
「住宅ローンはリフォームも含めて4,000万円組みました!」
付加価値は残るのか? |
私はここで疑問を感じました。
この時、掛かった1,000万円の付加価値(リフォーム費用)が、
将来売る時に評価されるのか?ということです。
以前、こんな出来事がありました。
東大阪市のとあるマンションに査定で伺いました。
拝見すると、3年前にリノベーションされていました。
お部屋は当初の原形はなく、
「4LDK→2LDK+納戸」に変更されていたました。
その時のリノベーション代金はなんと1,200万円
掛かったそうです。確かにフル装備で豪華です。
そのマンションのノーマル状態での相場は1,000万円です。
と言うことは、1,000万円+1,200万円(工事代)=2,200万円
掛っていたのですが、査定額はズバリ1,500万円でした。
つまり、3年間で700万円のマイナスです。
さらに、使用されている設備はハイグレードなのですが、
間取りが個性的なので正直一般受けし辛いのです。
融資が難しい |
何より、新たな購入希望者がそのマンションをフルローンの
1,500万円で申し込んでも、その全額を銀行は融資して
くれるのでしょうか?
銀行は「1,000万円の物件に500万円のリフォームをする
ので1,500万円貸してほしい」という申し込みに対しては
全額融資される可能性は高いでしょう。
しかし、過去にリフォームされた物件で1,500万円の融資だと
厳しい回答になる可能性があります。
これからリフォームする物件には貸すが、
数年前にリフォームした物件には貸しにくいと、
なんだか矛盾していますが、これが銀行の判断です。
私はテレビを観ていて、
購入者が将来売ることになった場合の事も、
考えずに提案しているように思えてなりません。
誰しもがそんなに早く売ることになるとは考えずに
購入しますが、絶対ないとは言えませんよね。
もし、購入後そこまで費用を掛けるのなら10年後、20年後、
30年後を見据えて計画を立ててからでも遅くないでしょう。
≪結論≫
『リノベーションするなら、こだわり過ぎない!
お金を掛けすぎない!全額ローンは組まない!』
【追 伸】
こちらのコラムについて、週刊ダイヤモンドさんから
取材を受けました。
◆あわせて読みたい◆
⇒ そもそも「リフォーム済み」マンションはお得なの?
⇒ ご相談シートはこちら
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