東大阪市・八尾市中古マンションナビ

東大阪市と八尾市の中古マンション売買専門店

06-6743-7400

営業時間/9:00 ~18:00
定休日/火・水曜定休

おしえて!村長さん

🏢 傾いたマンションはどうなったのか?

469.jpg

傾いたマンションはどうなったのか?

~ 傾いたマンションのその後 ~

あなたは、こんなニュースを覚えていますか?
神奈川県横浜市で起きた【マンション傾き問題】です。

それは2015年10月のことでした。
『マンションが傾いている!』と
当時は大きなニュースになりました。

2007年に完成したマンションで、4棟建っている内の
西向きの棟に”傾き”が発覚したというのです。

三井不動産側は、横浜市に対して
「震度7想定での検証を行ったが、倒壊の恐れはない」
と報告していますが、住人の皆さんは不安でしょうね。

そもそもなぜ傾いたのか?

では、そもそも何故このような事態に
なったのでしょうか?

まず建築物を建てる際、土地が軟弱でないかどうかを
確認するために、【地盤調査】を行います。

地盤が固くない土地に何もせずそのまま建ててしまう
と、建物の荷重で、地面に建物が沈んでしまうことが
あります。

それを防ぐために、地盤を改良し固めたり、
固い層まで杭を打ったりします。

今回のケースは、固い支持層まで杭を打つことに
なっていましたが、実際には杭が届いておらず、
建物が沈んで傾いたとされています。

この時点で、建物と建物を繋ぐ手摺りの箇所で
2.4センチ沈んでおり、放っておくとさらに沈む
可能性があります。

元に戻すことは可能なのか?

では、このような事態になった時、
建物を元の状態に戻すことは可能なのでしょうか?

友人の1級建築士に尋ねてみました。

彼は「耐震改修促進法」に基づき、
昭和56年5月以前に建てられた全国のホテルや
旅館の耐震診断を行っています。

余談ですが、政府は2015年12月末までに該当する
建物は診断結果を報告するよう義務付けていますが

現状で、全国のホテルや旅館のうち、
1割も実施されていないと言っていました。

今回の案件は、彼の経験則によると
「現状の杭に代わる補強を施し、建物を持ち上げて
直す」ことは可能だということです。

補強だと不安だという場合には
「建物をずらして杭をやりかえる」ことも可能
のようですが、「住んでおられる建物だと賛同は
得られないだろう」とも話していました。

三井側としては、「全棟建て替え」も提案している
ようですが、実際には住人の同意が必要になるので
協議には時間が掛かると思われます。

全国の事例を見ても、老朽化に伴うマンションの
建て替えですら、協議開始から建て替えの建築着手
まで、最低でも5年は掛かっています。

今回は、4棟で705戸あるため、
協議は難航するでしょう。

売却中やこれから売る予定の人は?

三井は建て替え案以外にも
「購入価格以上で買い取る」方針も示しています。

すでに売却中の方や売却を考えている方にとっても、
重大な問題で、このままでは買い手が見つからない
ため、そのような方への対応策なのでしょう。

では、今すぐでなくても
将来的に売却はできるのでしょうか?

私は、今回の件は「建て替え」をする棟と
「補強と金銭的補償」をする棟に分かれると考えます。

「補強」の棟は、行われた補強で大丈夫だという
横浜市のお墨付きが得られたら、通常の中古価格で
販売可能だと思います。

ただ、同エリア内に同じような規模のマンションが
あると比較されますので、売却に苦戦する可能性は
あるでしょう。

今のところ、ニュースでは「旭化成の手抜き工事が
原因」となっていますが、はたして三井や横浜市には
全く非がなかったのでしょうか?

私は、工事発注をした三井側が、早く完成させるため
工程に無理がある工事を、旭化成や関係工事業者に
課していたことが、根本的な原因のように思えて
なりません。

【追 伸】
その後、2016年9月に住民らが全棟建て替えを決議し
2017年5月に解体が始まり、新たなマンションが
建築中です。

私は、建て替え決議に至った早さに驚いています。
いろんな要因が重なったようですが、
それにしても、1年弱での合意は、住民さん同士の
まとまりを感じました。

一方、建て替えと費用と借り住まい費用などを
含めて掛かる約460億円を巡る損害賠償は、売主と
施工会社で裁判となり、判決はこれからです。

建物の完成は2020年12月の予定です。

◆あわせて読みたい◆
マンションの室内壁に「ひび割れが!」
意外と多い水のトラブル!【マンション編】

----------------------
【コラム発行元】
◎ マンションナビ(クローバーライフ株式会社
◎ お問い合わせ TEL: 06-6743-7400
◎ 発行責任者 村長洋明(むらながひろあき)
■ ご意見・ご感想・ご相談は ⇒ こちらまで
ご感想は100%目を通し、全ての方にご返信しております。
皆様から頂いた 1つ1つが励みになります。
※ご友人などへの転送はご自由にどうぞ。
----------------------